成果主義の失敗の多くはその導入理由と、成果の基である目標設定のあり方です。
◆成果主義を人件費削減に使わない
バブル崩壊後、外資系のコンサルタントが導入した成果主義は、セールストークの中に業績連動を謳っていたため、業績低迷の企業にとっては人件費コスト削減の意味合いから導入する企業も多くありました。しかし、業績低迷は成果が達成できないことであり、労働者の賃金はほとんどが下がり、その結果、労働意欲の低下を来たし、ますます業績が落ち込んだのです。
◆目標設定を正しく公平に
会社業績とは何か、個人成果と会社業績は連動しているのか確認をする必要があります。例えば、単年度の営業数値はそれだけで正しい成果とできるのか、未来にわたってその数値を上げることができるのか、あるいは1億円を売り上げる労働者と、7千万円を売り上げる労働者を3人育成できる労働者と、どちらが企業にとって好ましい成果なのでしょうか。また、営業の目標にあっては、しっかりとしたマーケットの潜在力を無視して、単純な昨年対比で目標設定すれば、合理性が無いばかりか、企業の計画は早い段階で破綻します。
◆成果と権限・能力は一体
成果を上げるには能力という基礎基盤が必要です。能力開発という投資が無くて成果という果実は得られません。また、期待する成果に見合った権限と裁量という武器がなければ、成果を勝ち取る戦いに挑むことはできません。能力開発と権限委譲は成果主義の必須要件です。
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